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我が町の企業紹介〜京都府 北から南から〜  アキツ産業株式会社

 桂川、宇治川、木津川の3川が合流し淀川となる起点であると共に、戦国時代の大きな区切りをつけた、羽柴秀吉と明智光秀との山崎の合戦が繰り広げられた地でもある大山崎町に、ガラスの芸術家エミール・ガレの作品に魅せられて、サンドブラスト法によるガラス工芸装置を開発したアキツ産業株式会社の代表取締役 武部國雄さんをお訪ねしました。

独自発想でサンドブラストマシーンの企画開発



 昭和28年ごろから金属表面処理でバレル研磨仕上げ法の開発を、手がけていました。
 その蓄積された技術を生かして、サンドブラスト装置の用途開発を考えているときに、19世紀後半に活躍し、「ガラスの詩人」とも言われたエミール・ガレの作品展を見たのがきっかけで、ガラスの表面をサンドブラスト法で加工できないものかと研究を始めたのが、昭和50年頃のことでした。
 そもそもサンドブラストには120年の歴史があるのですが、昔はと言えば、頭巾をかぶりマスクをして部屋に入って作業をしていました。作業が終わると全身真っ白で青白い顔をして出てくるといった類のものでした。
 部屋の中に砂が飛び散らない装置を開発し、販売を始めました。以来、砂を噴出させるノズルなどを改良し、グラスの外はもとより内側にもマークを施せる装置を開発したり、サンドブラスト法の用途開発に明け暮れています。

写真
アキツ産業株式会社
代表取締役 武部國雄氏

 
自信のあるものをお届けする 歩留まりは100%



 ガラスはとても繊細な素材なので、小さな気泡が入っていたりすると、表面を加工した時に損傷を与えたりします。そのため、当社では独自の検品制度を設けており、ちょっとした傷や気泡があると、加工しても良いものか悪いものかをひとつひとつ判断しています。
 加工依頼を受けて持ち込まれた材料を改めて検査するわけですから、取引先との間で意見の衝突があります。でも、「100個の納入に対し、生地不良が10個あれば、全量を納めるには、改めて10個を手配する必要があります。その10個を再手配し、送ったり送り返したりすることにより、双方にロスが発生し、マイナスがマイナスを呼び、10個についてはコストが倍になります。御社が良くならないと当社も良くならない。マイナスのお手伝いはしない。」とお話しをして理解を求めます。

 
技術開発は、すべてお客様の難問から生まれます


 小さい頃から機械いじりが好きで、6,7歳の頃には目覚まし時計を分解して組み立てていました。困っているところを何とかするのが楽しいんです。
 お客様から宿題をいただけると、素材も一緒についてきます。例えば、セラミックを研究したいからと言っても、簡単に手に入るものじゃありません。素材付きでこれをこうしたいんだという課題までいただけるのですから、これほど楽しいものはありません。
 今まででいちばんの難問は、「石英ガラスに蒸着した通電材を線幅1mmを残し、空隙数mmの格子状に剥離し、隙間から光を通す、その輝度を100%にできるか」という宿題でした。
 常識で考えると、サンドブラストをかけると削られて白くなりますから、無茶な注文でした。できないと思いこむと先に進めないので、パズルを解く感覚で取り組みました。
 最終的には96%まで到達することが出来ましたので、商品としてお納めさせていただきました。否定が先立つと発想は生まれません。
 
ガラス工芸の普及


 体験教室と専門教室を、曜日や始業時間を決めずに生徒さんに合わせて開催しています。
写真:被せガラスを使ったガラス工芸品 マンツーマン方式ですので、一日当たり二人が限度です。
 今までの生徒さんの中には、現在、工芸家として、独立しておられる方が相当いらっしゃいますし、工芸教室を開いておられる方もいます。
 家庭で楽しまれている方々は、『車より安くて、ずーっと長く楽しめるので良いです』と言ってくださいます。
 当社では、装置を販売したアフターケアとして、技術指導は勿論のこと、研磨剤やガラス等、材料の購入のお手伝いをしています。
 特に、ガラスをルーマニアのエミール・ガレの技術を伝承しているメーカーに特注して、作ってもらっているものもあります。
 このガラスは、せガラスと言われるもので、見た目には一色のように見えるのですが、3〜4色を重ねて層になっていますので、削っていくにつれ、異なる色が現れて、多色で立体感のある柄ができあがります。
 現在、普及型としている装置は、少し大型なので、一般家庭用電源であるAC100Vで使える省力タイプを開発中です。そうすれば、もっともっと普及し、ガラス工芸の良さと楽しさを味わっていただけるのではと思っています。
 町のイベントには装置を持っていき、小さいお子さんたちに体験していただいています。
 お金を出せばなんでも買える世の中だからこそ、お金では買えないものづくりの楽しみを知ってほしいとの思いです。その思いが通じたのか、参加した子供のお母さんから、『自分で飾りを付けたグラスで、毎日牛乳を飲んでいます。自分で作った物は大事にしますね。』とお聞きしたりすると、次のイベントにも参加しようという気になりますね。地方の「PTA」のイベントでも好評です。
 
DATA
アキツ産業株式会社
代表取締役 武部國雄
所在地 〒618−0071
  京都府乙訓郡大山崎町鏡田20−82
TEL 075−956−4480
FAX 075−956−4711
資本金 10,000千円
従業員 4名
事業内容 サンドブラスト工法に係る装置開発と卸売、サンドブラストガラス工芸教室の開催
創業 昭和50年
URL http://www.akitsusan.co.jp/
写真:ロングセラーの汎用手動ブラスト機

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