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我が町の企業紹介  株式会社 夜久野商工振興公社


 今回は、京都府の西北部に位置し、東は福知山市、他の三方を兵庫県に接する人口約4,800人の町、天田郡夜久野町にある株式会社 夜久野商工振興公社を訪ねました。
 同社は、夜久野町商工会会員の有志31名の出資を受けて、平成13年5月に設立され、「農匠の郷やくの」内で地元食材を使った軽食の提供、特産品の販売などを行う物産館「夜久野マルシェ」を運営しています。
 会社設立当時の夜久野町商工会会長で、現在同社の代表取締役に就いておられる衣川敏朗氏にお話を伺いました。

ふるさと創生資金を活用して温泉を発掘



 夜久野町は、町自体が大きくなく、商工会会員が210前後で、特に大工等建設業関係が多い、商店街の少ない町です。
 特産品としては、ここ十数年前から黒豆が有名になり、全国にその名を知られるようになりました。
 また、京都府唯一の火山の跡である田倉山(宝山)の噴火による火山灰で真っ黒になった土(黒ボク)で作る大根やサツマイモはおいしいと評判です。
 しかし、高齢化と後継者不足により農家は年々減少しており、商工業者も同様に減少傾向にあります。

 近年、近隣の福知山市や和田山町に次々と大型スーパーが進出し、購買力の一層の流出傾向が見られます。
 そこで町では、活性化を図るため、「ふるさと創生資金」を活用して、温泉調査を実施したところ、湯温38℃、湯量毎分180リットルの温泉が出たことから、この温泉を核に平成7年に都市と農村の交流の拠点を作る目的で、ファームガーデン構想が策定されました。構想では、観光入込客数30万人という目標が設定されたことから、これだけの方が来られるのなら、商工業の関係でも何かできることはないかということで考えたのが、「夜久野マルシェ」のはじまりです。それまでは観光入込客数は3万人もありませんでした。

写真:(株)夜久野商工振興公社 代表取締役 衣川敏朗氏
株式会社 夜久野商工振興公社
代表取締役 衣川 敏朗 氏


 しかし、「農匠の郷やくの」は農林水産業関係の補助金を活用しているため、この事業で商工業関係の施設はできないということでした。それでも30万人もの人が来られるのを見逃す手はないことから、「農匠の郷やくの」の近辺で土地を探したところ、良い土地が見つからず、最後には、やはり施設内が良いであろうということになり、町にお願いし、町の土地を借りて現在の場所に建設することとなりました。

 

商工会会員有志の出資により(株)夜久野商工振興公社を設立


 平成8年に商工会等地域振興対策事業として府から助成金をいただいて、商工会としてファームガーデンにどのように関わっていくかを検討し、商工活性化ビジョンを策定しました。平成10年には商工会等地域振興実現化事業で、策定したビジョンを実現するために観光商業活性化の拠点となる施設を建設することにしました。

 平成11年に「農匠の郷やくの」がオープンし、平成12年に(仮称)やくの物産館建設準備委員会を設立しました。商工会会員を対象に出資を募ったところ、同年12月に31名の出資者の方から29,100千円の出資をいただき、平成13年5月に(株)夜久野商工振興公社を設立しました。
 そして、同年11月22日に「夜久野マルシェ」として物産館をグランドオープンする運びとなりました。「夜久野マルシェ」の「マルシェ」とはフランス語で「市場」という意味で、市場的なにぎわいをつくり出したいと考えています。
 会社名に公社とつけましたのは、設立に商工会もかかわってきたことから、公的な意味合いを持たせたいという思いから命名したもので、実態は民間会社そのものです。

 

地元の素材を活かす



写真:夜久野マルシェの外観  はじめは、物販だけの予定でしたが、温泉に来られたお客様が軽く食事をする施設がないということを耳にしましたので、食堂も併設することとしました。ただ、「農匠の郷やくの」の物販やレストランと競合しないように配慮し、食堂はそばなどの軽食のみとしました。

 また、できるだけ地元の素材を使い、地元にも支持していただけるように配慮し、特に、地元特産の黒豆を使用した黒豆そばや地元産の野菜が入ったクッキー、さらにこの7月にはアイスクリームの製造許可を取得し、黒豆のきな粉を使用した黒豆ソフトクリームを販売し、いずれも好評です。
 施設内部の特産品のコーナーは、出資者だけでなく、商工会の会員であれば、自由に商品を置けるようにしています。また、施設で使用している湯飲みやどんぶりなどの陶器は、地元の陶芸家の焼いたものを使用しています。ひとつひとつデザインの異なる手作りの陶器が、特に女性客に受けています。木製の椅子やテーブルも店の雰囲気にマッチしていると喜んでいただいています。

 温泉客の大半は町外の方で、町内の方は2割程度です。そこで、地元の方を呼び込むために、施設内で手作りケーキの製造販売をはじめましたが、これがおいしいと評判で、地元の方はもちろん、近隣市町からも買いに来られます。
 現在、月約5,000人程度のお客様にご利用いただいていますが、大体計画通りに推移しています。客単価は予想より低いのですが、温泉客に占める割合が50%前後と、思ったより高く、また、売り上げ目標も当初、月360〜370万円を予想していましたが、現在約400万円で、こちらも大方予想通りで順調に来ています。
 この事業を実施するに当たって何度も会員にアンケートをとり、会員の知恵と要望を結集した結果だと思っています。

 

商工業者の活性化の拠点を目指す



 この会社の基本理念は、夜久野町内の商工業者の活性化の拠点となる施設を整備することです。現在は利益が出るまでに至っていませんが、今後、わずかでも利益を出して配当できるようにしたいと考えています 。
 将来的にはいろいろと考えていますが、まずは手作りパンの製造販売を考えています。また、手打ちそばを始めることも考えていますが、話題性としては良いのですが、人件費等のことを考えるとまだまだ課題が残ります。
 今後は、特産品コーナーに一人でも多くの会員の方に参加していただきたいと思うと同時に、地元だけでは広がりに限界があることから、外へ打って出られるような町独自の特産品を開発し、市場を広げていきたいと考えています。

 また、最近よく、地産地消と言われますが、1次2次3次産業と区別せず、全部が一緒になって、せめて土日だけでも市場のようなにぎわいのある、本当の意味でも「マルシェ」を形成できたらと考えています。
 このようにいろいろと構想はありますが、まず何よりもこの施設の運営が成功し、商工会会員の商売にもつながり、町の活性化の一助になればと考えています。
D A T A
株式会社 夜久野商工振興公社
代表取締役 衣 川 敏 朗
店 舗 名 夜久野マルシェ
所 在 地 〒629−1322
  天田郡夜久野町字平野1724
TEL    0773−38−9100
FAX 0773−38−9101
URL http://www2.ocn.ne.jp/~yakuno/marche/
資 本 金 29,100千円
従 業 員 11名(パート、アルバイト含む)
事業内容  地元食材を使った食事の提供、
  特産品の販売
創  業 平成13年 5月
設  立 平成13年11月


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