21世紀の街づくりと 魅力ある商業環境の連動化をめざして
〜 乙訓地域商業動向調査の結果から 〜
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乙訓地域は、向日市、長岡京市、大山崎町の2市1町からなり、京都市の西南部にあって大阪府三島郡に接している。人口は昭和30〜40年代に爆発的に増加したが、昭和60年以降ほぼ横ばいで推移し、平成9年10月1日現在147,429人となっている。世帯数も昭和60年以降微増にとどまり、同現在53,081世帯となっている。また、人口密度は府内で最も高い地域(向日市第1位、長岡京市第2位、大山崎町第4位)である。〈表1〉
年齢階層別の人口は、老齢人口(65歳以上)の比率が10.9%で、府平均の14.7%よりかなり低くなっている。また、35.6%の人が通勤・通学のために乙訓地域外に流出しており、そのうち6割が京都市へ流出している。なお、夜間人口(常住人口)に対する昼間人口の比率は83.2%となっている。
交通の状況は、京都と大阪の間に位置することから、幹線交通網が集中しており、特に鉄道のアクセスが良く、京都市内には15分程度、大阪市内には40分程度で到達できる。

乙訓地域内の小売業の商店数は1,236店(平成6年7月1日・商業統計調査)で、人口千人当たりの商店数は、府平均の13.4店に対し乙訓地域では8.4店、特に大山崎町では7.0店と、人口に対し商店がやや少なくなっている。
商業の地元吸引力を示す商圏中心性指数を見ると、乙訓地域全体では0.63で、4割近い購買力が地域外へ流出している。特に大山崎町は0.26で、約4分の3の購買力が町外に流出している。業種別では、織物・衣服・身の回り品小売業は乙訓地域全体で中心性指数が0.28とかなり低く、特に大山崎町では0.03でほとんど町内では買われていない。〈表2〉

乙訓地域内での買物動向は、近くの商店を2日に1回以上利用する人は17.4%に過ぎず、一方、スーパーを2日に1回以上利用する人は47.8%にのぼる。〈図1〉
近くの商店では、生鮮食料品やパン・菓子類が主に購入されており、スーパーではそれらに加え、家庭用品(日用雑貨等)、衣料品などもよく購入されている。
コンビニエンスストアの利用頻度は低いが、20歳代では近くの商店よりもコンビニエンスストアの利用頻度が高くなっている。
乙訓地域外での買物動向は、京都市、大阪市などへ月1回から2か月に1回程度買物に行っている人が多い。また、主な購入品目は衣料品、身の回り品などのファッション関係の商品が多くなっている。乙訓地域外で買物する理由は、商品や店の数が豊富であることと、地元地域に適当な商品がないことがあげられている。〈表3〉
住まいの近くの商店・商店街に対する要望は、「値段を安く」が54.5%で最も多かった。特に若年層では、「特売の増加」「広告・チラシの増加」とあわせて、低価格指向が強くなっている。逆に高年齢者層では、「接客サービスの向上」「商品知識の向上」などソフト面での要望が強くなっている。〈図2〉
また施設面では、「家族で楽しめる飲食ビル」「大型店、専門店が集まったショッピングセンター」「安心して買物ができるショッピングモール」「公園等憩いの広場」などを求める声が強く、ワンストップショッピングの利便性と買物プラスアルファの楽しさを求めている。〈図3〉



| 京都市内で の買物理由 |
京都府内で の買物理由 |
大阪市内で の買物理由 |
大阪府内で の買物理由 |
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| 乙訓地域よりも安いから | 8.5% | 31.5% | 17.6% | 35.2% |
| 通勤など他の用事のついで | 24.3% | 14.8% | 26.4% | 20.4% |
| 映画や遊びのついでに | 20.6% | 11.1% | 30.8% | 14.8% |
| 商品・店の数が豊富だから | 51.8% | 38.9% | 50.5% | 38.9% |
| 地元に適当な商品がないから | 45.2% | 29.6% | 35.2% | 22.2% |
| 商品の質がよいから | 26.5% | 11.1% | 23.1% | 13.0% |
| その他 | 29.0% | 5.6% | 0.0% | 9.3% |
代表者が「50歳以上」の店が4分の3を占めており、高齢化が進んでいる。後継者がいる商店は33.2%で、「代表者がまだ若く当面後継者の心配がない」商店をあわせても4割強にすぎない。また、「対象者はいるが継がせたくない」とする商店も10.3%あった。
3年前と比べた売上高は6割近くの店が減少しており、特に酒類小売業では9割近くの店で売上が1割以上減少している。そのため、経営上の課題として最も指摘の多かった項目は「売上の減少」であり、個人消費の低迷などを背景とした売上の減少が直接経営に響いているといえる。また、「客単価の伸び悩み」よりも「来店客数の減少」の方を課題として指摘した店が多かった。〈図4〉
経営上で特に留意している点は、「顧客との人間関係」「店の信用」「接客態度の向上」などをあげる店が多かった。しかしながら、消費者調査では「接客態度が悪い」との声も少なくなく、今後もさらに重視していく必要があるといえる。〈図5〉


1 個店の発展方向
[店舗コンセプトの確立]
消費者ニーズはますます多様化、高度化している。しかしながら、中小小売店では大型店のように幅広く品揃えすることはなかなか困難である。そこで『店の顔』を持つことが重要になる。そのためには、来店者や商圏内住民の年代、性別、家族構成などを明確にし、顧客ターゲットを絞るとともに、価格、品質・鮮度、品揃え、商品知識、アフターサービスの良さなど、自分の店の『売り』は何であるのかを明確にする必要がある。
[顧客サービスの向上]
中小小売店が大型店に対抗できる一番の強みは、きめ細かい顧客サービスができるという点である。そのためには、「従業員=店主」のつもりで従業員教育をしっかりとやり、宅配サービスの実施や商品の取り扱いについての十分な説明など、中小小売店ならではのサービスをすることが重要である。
[店舗諸機能の改善]
資金的に大規模な改装は無理であっても、ちょっとしたことで店のイメージは良くなる。例えば、外から店の中が見えるように、また、見えるところに主力商品を配置し、消費者の目を引き付けたり、通路の巡回性を高め、合理的な商品配置をし、客が店内で自由に商品を見て回れるようにすることなどが考えられる。また、照明、色彩、BGMなどの演出効果、POP広告の統一なども重要である。
2 商店街の発展方向
[街づくりとしての商店街づくり]
商店街は単に商品を提供する場ではなく、地域社会における「街」と
しての関わり合いを強く持っている。商店街づくりの目標は、地域住民が集い、交流する暮らしの広場へと作り替えることが必要である。具体的には、駐車場・駐輪場、アーケード、カラー舗装などのハード面の整備と、スタンプ・カード事業、イベント等のコミュニティ活動などのソフト事業が考えられる。
[商店街活動の活発化]
前述のような事業を実施するには、商店街組織の強固な結束が必須である。個々の商業者が活動に積極的に参加するとともに、役員も会員の意見を広く汲み上げることが必要である。
3 地域商業の発展方向
[21世紀の街づくりと魅力ある商業環境の連動化]
地域商業全体の顔づくりに際しては、そのシンボルとなる拠点開発と他の商業地域との差異を明確化できる地域イメージを作ることが重要な課題となる。このためには、商業環境づくりと街づくりが一体となった取組みの強化が最も基本となる。
[地域の全体を牽引する拠点づくり]
地域内では、「JR長岡京駅西口地区市街地再開発事業」をはじめとして、様々な大規模プロジェクトが計画又は実施されている。こうしたプロジェクトを商業環境整備にうまくつなげていくことが求められる。
[地域の歴史・文化資源を生かした魅力づくり]
乙訓地域商業の魅力向上やイメージ戦略を進めていくためには、地域内の歴史や文化資源を生かすことが求められる。「歴史街道事業」をはじめとした各種イベントや「長岡天満宮」などの観光資源そのものの魅力での集客とともに、イベントに協賛した売出し、特産品の販売などソフト事業の実施も重要である。
![]() 向日町ショップセンター |
![]() 大山崎特産品販売所 |
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