技報 24
平成7年度に当センターで行った技術の研究及び試作の概要を、「京都府中小企業総合センター技報 24」としてとりまとめ、このほど発行しました。
本研究報告書は、多くの技術課題の解決を求められている中小企業に対し、技術的な支援を行うために研究開発に取り組んだ成果であり、日常の技術指導を通じて府内中小企業に技術移転を図っているところです。
「総合センター情報」においても「研究報告」として、今後順次掲載していく予定ですが、主な研究のテーマとその概要は次のとおりです。
○電子部品実装工程におけるマイクロ接合 (V)
(副題:レーザーを熱源とするソルダリングフラックスの研究開発)
*新しい熱源として注目されているYAGレーザーを用いたプリント基板のはんだ付け方式について検討し、高温域において持続的に維持できるフラックス活性剤を合成した。
○電気ー光変換デバイスとその応用に関する研究
*電気信号が伝送中にノイズに影響されない光信号に変換する光導波路の作成技術について検討し、広帯域で良好な周波数特性を有する光−電界センサ作製の見通しを得た。
○低周波放射イミュニティ試験に関する研究
*電波暗室でしか実施できなかった放射電磁界イミュニティ試験を、通常の室内でも試験可能なインパルス電磁波を放射させる試験法を考案し、電波暗室法と同品質の結果を得た。
○放射電磁界イミュニティ試験(IEC1000-4-3)時の電磁界均一性の簡易校正法
*IEC規格における放射電磁界イミュニティ試験が、半無響室において実施可能な電界分布の均一性を得るための簡易校正法を考案し、良好な結果を得た。
○バイオコンバージョンプロセスの開発
(副題:不織布を保持担体としたバイオリアクターの開発)
*不織布及びパーライトに酵母を付着させたバイオリアクターを用いてノルマルドデカンの分解、高濃度排水の処理及び食酢の醸造を行い、企業への技術導入の可能性が高まった。
○無塩味噌の製造と高圧処理による保存性の改良
*味噌の加圧殺菌について検討したところ、食塩が加圧殺菌効果を減少させることが判り、白味噌の低塩化により殺菌処理に必要な圧力を500MPaから400MPaに減少でき、実用化への可能性が高まった。
○食品廃棄物の有効利用に関する研究 (V)
(副題:食品廃棄物のキノコ培地への利用)
*排出量の多いオカラの有効利用を図るため、オカラを微生物処理することによりキノコ培地並びに飼料への利用が可能となった。
○鍛造金型の表面硬化法に関する研究
*鍛造金型のイオン窒化処理により、鍛造品の表面肌が良好となり形状精度を向上することができた。
○材料表面の高機能化に関する研究 (U)
(副題:窒化クロム膜の作成とその諸特性について)
*工具、金型の長寿命化を図るため、窒化クロム膜を材料に被覆した。その結果、材料表面の潤滑性、耐磨耗性を向上させることができた。
○高化学的耐久性フリットグレーズに関する研究
*高含鉛釉薬の特長を生かすべく、有鉛耐酸フリット組成を研究し極めて化学的耐久性を示すフリット上絵具を開発し、業界で製品化に向け実窯試験を行った。
○陶磁器上絵材料の高品位化に関する研究 (T)
(副題:希土類酸化物を用いた新規色彩上絵具について)
*多色性を発現する希土類元素を含む高化学的耐久性陶磁器用上絵具を開発し、実窯試験の結果、淡い新規色彩を得ることができた。
○3次元画像を利用したデジタルデザインに関する研究 (T)
(副題:3次元非接触形状計測を利用した画像データの有効性の研究)
*3次元非接触形状計測によって得た実物に近いリアルな回転、変形できる3次元画像データを制作し、3次元画像データのデザイン利用の有効性を明らかにした。
○銅器着色特性に関する研究
*古来原料の枯渇に対応した近代的着色技法の確立を図るため、銅及び真鍮の煮込み着色法について検討し、着色表面層に亜酸化銅の結晶が生成し優れた耐食性を付与することができた。
○NCル−タによる切削加工技術に関する研究 (U)
(副題:三分力切削動力計を用いた切削抵抗の測定)
*木製品製造技術の高度化の一法としての切削条件の標準化を目的に、前年度に試作した三分力切削動力計を用いて杉、パーティクルボードについて適正な切削条件を明らかにした。
○メカトロ技術の適用に関する応用研究 (V)
(副題:鋼板曲げ加工機の開発)
*立体製品モデルの成形を目的に、鋼板曲げ加工機を改造し(X軸、Y軸同時制御、冷却水θ軸制御・吹管火口高さ制御等)、三次元曲面加工を可能とする加工ツールの動作を実現した。
○企業間ネットワーク化技術に関する研究
(副題:WWWを用いた企業内情報共有システムの開発)
*丹後地区の一貫生産体制を強化し受注幅を広げるため、地域内の工作機械の稼働状況や受注に関わる企業内情報を各企業間で相互に交換する情報ネットワークシステムについて検討した。
○着色排水の脱色に関する研究 (V)
(副題:オゾンを用いた着色排水の脱色処理装置の開発)
*前年度までに、着色排水に対する脱色効率の高い処理装置を開発したが、装置実用化のために改良と自動化を図りその有効性を確認した。
○有機性産業廃棄物の効率的処理法の検討
*生物由来の有機性廃棄物を効率的に処理する方法について検討した結果、緑農地還元を柱に油化、熱分解、メタン発酵等を複合的に組み合わせる方式が望ましいことが判った。
○CGを用いたデザインシミュレ−ション・プレゼンテ−ションに関する研究 (X)
(副題:3次元画像のアニメーション機能等を用いた映像表現の研究)
*キーフレーム法、パスカーブ法等のアニメーション技術について特長、長所、短所等を検証し、パーティクル技術を用いた特殊表現について効果を検証した。
○イオンプレーティング法によるセラミックス傾斜機能薄膜の合成に関する研究 (U)
*金型やフィルム上に窒化物セラミックスを成膜し、生産現場での実験や摩擦・摩耗試験を行い、金型の寿命や薄膜の特性を評価した。
○電子部品の新接合技術と周辺技術の開発 (T)
*電子機器の高密度化及び鉛規制に対応したはんだ合金、フラックス、めっき皮膜の開発について検討し、所定機能の材料を試作した。
○新加工法による京都特産食品の研究開発 (T)
*京都の伝統的、日常的な食品に新加工処理を行い、機能性・嗜好性を高めた味噌や発酵ソースの試作を行った。
■詳しい内容については、機械電子課(TEL:075-315-8633)までお問い合わせください。