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我が町の企業紹介〜京都府 北から南から〜

産地と得意先の信頼関係を大切に
有限会社中尾園茶舗

 京都府の最南部相楽郡に位置する和束町は、町の中央を和束川が流れ、両端のなだらかな山並みは頂まで茶畑が広がります。京都府内最大の荒茶の煎茶生産額を誇るこの地で、明治から現在まで産地に密着して飲みやすいお茶を追求し続ける有限会社中尾園茶舗の中尾正義社長にお話をお伺いしました。
 
和束の地でできた煎茶へのこだわり



写真:有限会社中尾園茶舗 代表取締役 中尾正義 氏 当社の業務はお茶・宇治茶の仕入れ、加工、卸、小売です。明治以前からの創業で、私で7代目ぐらいになります。六左衛門という名前が三代続き、私はその名前は継いでいませんが、 “やまろく(ロゴ)”をずっと使っています。有限会社にしたのは昭和32年頃のことです。昔はお茶の生産もやっており、加工、製造、一応皆一通りやってきました。今は、40〜50軒の生産農家から直接にお茶を仕入れています。一部は当社でも茶園を所有していて、生産は委託しています。おかげさまで昔からの生産農家が一軒も離れずに携わってくれ、中尾園の一つのグループとなっています。90%近くの問屋が農協を通して仕入れをする中で、直接仕入れる形態は本当に少ないです。ひとつには煎茶へのこだわりがありますからね。煎茶は、地域によって色や香り、味にそれぞれ特徴があり、私はやはり和束川が流れている日当たりの良いこの和束の地でできたお茶にこだわっています。色は鮮やかでなくても味が濃くておいしいと思います。それから、うちは荒茶製造の過程でちょっとよけい目に蒸しや乾燥をしてもらっていて、それを中蒸しといいますが、お茶の葉は多少崩れ、荒茶に要するもとの茶葉も1割弱くらい多く必要となります。でも濃い味がでて、それがうちのお茶のこだわりです。これは、長年、取引先や直接消費者の方の要望に応えてきた結果でもあります。水道水でいれても勝つ味の濃さを求められたこともありますし、直売店に買いに来られるお客さんもうちの濃いめのお茶を魅力と感じていただいているようです。販売先は、京阪神が中心で、荒茶のままの卸と、更に加工して小売用の袋詰まで仕上げてからの卸しが半々くらいです。

 
あっせん人としての自負



 お茶屋修行は、おもに茶葉や商品の見分け、調合や製造法の調整ですが、今習ったからといって身に付くものではありません。お茶のシーズンが終わって来年の一番茶ができたらまた一年生です。自然と身に付いてくるまで、長年を要しますし、それだけ奥が深いということですね。昔はプロのあっせん人が主体となって、お茶が何百点と並んでいる中で、香りや味を分析して、例えばAとCとを合わせたらこういう香りが出るとか、BとCを合わせたらこういう味が出るとか、いろいろ問屋のことを考えて、これはDさんへ、これはEさんへというように、仕入れるときから分けていって、茶園や荒茶製造業と卸問屋の間をつなぐ役目をしていました。今では農協があるのでこの制度は必要なくなったんですが、今でも、私はあっせん人のような仕事をしていると思っています。もう京都府で数名ではないでしょうか、私みたいなことをしているのは。

 
卸から小売への事業展開



写真:直売店の店内 卸は利益率が低いので、できることなら小売分野をもっと伸ばしていきたいですね。今の売上は7割ぐらいが卸で、3割は小売と通販関係です。小売を始めてからは20年ほどですが、ここに直売店を建てたのは平成元年ですから16年になります。お茶だけでなくお米や野菜も売っており、おかげさまで平日もお客様に来てもらっています。通販は、24、25年前か写真:直売店に隣接する喫茶「竹の子」らハガキやパンフレットを使って行っており、一度買ってもらってからずっと付き合いをさせていただいている固定客もいらっしゃいます。これから、その場でお茶を楽しんでいただく喫茶店や、インターネットでの販売について、もっと充実していきたいと考えています。産地におりますから卸をやめるというのはできませんが、やっぱり地場のお茶を直に売って、また、中尾園のブランドもPRしていきたいですから、今後は卸と小売の割合を半々くらいまで持っていければ、というのが私の希望です。

 
宇治茶の主産地として



写真:中尾園の深蒸し茶のひとつ「和束娘」 和束の煎茶というのは、京都の生産額の中の5割から5割5分のシェアを持ってますから、和束茶を宇治茶の主体に持っていきたいと思っています。最近は、お菓子やアイスクリームなどに使うためのてん茶の需要が増え、この和束でもてん茶の生産が多くなってきましたが、私はどうしても煎茶にこだわります。
 時代が変わってもお茶というのは根強い商品です。畳のある間はお茶は売れると昔のお年寄りはよく言ったものです。ただそれに安閑としておられるものではないですし、現代の人に飲んでいただけるように、飲みやすいように企画するのがお茶屋ですからね。幸い、お茶の効能などをテレビ等で宣伝してくれるので、その点では助かっています。うちの商売も大切ですが、地域として宇治茶や和束茶のブランドを守り発展させていくよう、これからも品質や味にこだわっていきたいと考えています。それとやはり仕入れしている生産家と密接な関係の中で地域の活性化を図っていかないといけないと思います。そしてこれからの若い人には、胸を張って和束茶というものを育てていって欲しいと考えています。

 
DATA
有限会社 中尾園茶舗
代表取締役 中尾 正義
所在地 〒619−1202 
  京都府相楽郡和束町原山小瀬谷1−3
TEL    0774−78−3630
FAX 0774−78−3835
URL http://www.nakaoen.com/
資本金 3,000千円
従業員 5名
事業内容 主に宇治茶の原茶買付け加工、 卸・小売販売、通信販売
設立 昭和32年5月


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